~建築家と見る宮城の建築 vol.2~「せんだいメディアテークせんだい」

コラム

こんにちは、ソライエの小野松です。

建築に携わる私たちが地元宮城の優れた建築物をクローズアップするシリーズ。

今回は、仙台市青葉区の「せんだいメディアテーク」(以下略称smt )を取り上げます。

smt は、「青葉まつり」「仙台七夕」「ジャズフェスティバル」「光のページェント」など杜の都仙台のビッグイベントのステージ「定禅寺通り」に面しています。

美しいガラス張りの建物の中には、市民図書館、市民ギャラリー、ギャラリー、映像メディアセンター、会議室などが集約されており、さまざまな機能を併せ持つ複合文化施設として2001年に誕生しました。カフェミュージアムショップも併設する市民の憩いの場として愛されているほか、建築物としての美しさからファッション誌やテレビ番組、映画などのロケ地ともなっています。

設計したのは、世界的に有名な建築家、伊東豊雄氏。斬新なコンセプトや、13本のチューブと7枚のプレートで構成された実験的な構造が大きな反響を呼び、2001年度グッドデザイン大賞、World Architecture Awards 2002 Best Building in East Asiaをはじめ国内外の多数の賞を受賞しています。

正面から見た外観(定禅寺通り側)

全面ガラス張りのため、建物の最大の特長である「床」とチューブと呼ばれる鉄骨の「柱」を見ることができます。南側のガラス張りは明るさや開放感が得られる反面、太陽によって室内の環境負荷が上がりやすくなります。そのため、ダブル・スキンと呼ばれる空間に1m程の空気層を挟んだ二重の構造にすることで断熱性を高めています。

正面入り口にある階数表示

左端の四角の中に丸や線が書かれている図形は、平面プランの模式図です。●は建物を垂直に貫く「チューブ」と呼ばれる構造体の位置を示していて、全部で13本のチューブがあることがわかります。

インフォメーション(エントランス)

通常、柱はできるだけ等間隔に建てますが、ここではたくさんの細い鉄柱に分解して内部が空洞のチューブ状の構造体を作り、それらをできるだけ不規則に配置することで、均質でない内部空間を作っています。柱と梁によってつくられた空間は、建築物の均質性を打破し、新たな建築様式を生み出そうとする試みの中から誕生したもので、日本はもとより世界中の建築ファンから高く評価されています。インフォメーションは、まるみを帯びたビビッドな赤でひと際目を引きます。

エレベーター

建物の上から下まで貫くチューブは、新たな生命体のよう。その内部にはエレベーターや階段室などを収納しているほか、通風採光などにも配慮されています。

チューブ内部の階段から見上げた天井

どの部分を切り取ってみてもまるでアート作品のよう。

市民図書館

天井から吊るされた照明器具は光が直接目に入らないよう設計。天井に反射させた光が柔らかく照らすことで利用者が落ち着ける空間になっています。

▲1階エントランスから見た定禅寺通りのケヤキ並木

1階はイベントなどを開催する「ひろば」のようなオープンスペース。大きなガラス面によって内と外との境界をあいまいにすることで開放感を増し、のびやかな空間となっています。

今では世界的な建築家伊東豊雄氏の代表作として知られるsmt。

四季折々に美しい表情を見せてくれる定禅寺通りのけやき並木とともに、これからも市民の文化情報の発信基地として愛され、次代へと受け継がれていくに違いありません。

環境に融合し、時代を超えて愛される住まいを私たちソライエも提案し続けてまいります。

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